1.自家用車の減価償却は100%OK
個人事業主では私用に使っている割合がありますので100%必要経費にはなりません。1台目は70%程度、セカンドカーや高級車の使用の場合は20%位、全く必要経費にならないこともしばしばです。会社であれば通勤や営業に使用していれば100%減価償却がOKです。
2.社長の父上母上にも役員給与を支払う事ができます。
今まで育ててくれた父母に親孝行ができます。 取締役や監査役になっていただいて、経営上のアドバイスを請ければ毎日一定額の役員給与を支払う事ができます。経営にどれだけかかわっているかで役員給与の限度は違ってきますが、同居していたり保証人になっている場合には役員給与を支払う事が節税のポイントになります。なお税制改正がありますので都度確認しましょう。
3.損金になる生命保険商品がある。
個人事業主では生命保険料控除は一般・個人年金、介護を含めてMAX12万円しか控除できません。年間50万円を支払っていても最大12万円しか控除できません。 会社であれば、全額損金や半額損金にできる生命保険商品もあり、退職金の支払いの用意をすることができます。
4.別荘などの社員の福利厚生施設もOKです。
個人事業主では別荘等の維持費用、固定資産税、購入料金の支払い利息、別荘等の減価償却費など一切No!一円も必要経費になりません。
会社であれば別荘等の利用規程を作って社員や役員が利用して使用料を一日2000円程度を支払っていれば、別荘の維持費用や固定資産税、購入資金の支払い利息、減価償却費等、全て損金になります。社員が使用しないケースでは、購入金額が社長に対する賞与とされるケースもありますのでご注意ください。
6.倒産防止共済掛金で節税
製造業・建設業・運輸業・卸売業・小売業・サービス業・ソフトウェア業等の会社は倒産防止共済に加入することができます。
この制度は取引先業者が倒産して売掛金債権等が回収困難となったときに掛金残高の10倍まで(回収困難な売掛金等が限度)まで貸付を受けられる制度です。
この掛金は月額20万円が最高額ですが、40ヶ月以上掛ければ任意解約でも100%返戻されます。掛金は全額損金になります。なお申告書に所定の別表を添付します。
なお一定の手続きをとれば年払いをすることもできますし、その場合は支払った日の事業年度の損金にすることができます。
なお個人事業主の場合、多くの事業の事業所得の必要経費になりますが、不動産賃貸事業は不動産所得ですので必要経費にすることはできません。なお明細書の添付が必要です。
7.消費税対策
資本金1,000万円未満の会社は設立1期目は消費税は免除されます。設立第2期目は1期目の期首から6ヶ月間の課税売上が1000万円以下、あるいは役員給与を含めた全ての従業員・パートの給与総額が1000万円以下であれば設立第2期目の免税はどのようにしたら免税されるのでしょうか。
判定は設立第1期目の期首から6ヶ月の課税売上あるいは給与総額で判定されますので、事業のスタートする数ヶ月前に会社を設立しておくことです。
そうすれば設立の日から数ヶ月は売上が0となり、残りの2、3ヶ月の間で、資本金が1,000万円以下であれば設立2期目も免税となります。
8.マイナンバー対策には会社設立
デザイナー、ライター、カメラマンのようなフリーランスの事業主は10%程度の源泉所得税が差し引かれています。会社を設立すれば原則として源泉所得税は差し引かれませんので手取収入がアップします。
なお上記のような報酬を得る個人事業主は平成28年から支払先に個人番号(マイナンバー)を提出しなければなりません。
そうしたリスクを避けるためには会社設立が一番、会社であれば、法人番号はネットで開示さえていますので個人番号(マイナンバー)を提出する必要はありません。マイナンバー対策には会社設立が一番です。
定款作成は慎重に
会社を設立するには定款をはじめとする多くの書類が必要です。
特に定款は会社の憲法とも呼ばれる基本ルールであり、今後の会社運営に大きく影響してきます。
この定款を作成する段階からすでに、成功する方と失敗する方がいらっしゃいます。
資本金の額・出費比率・株式の種類・事業目的・決算期等など・・・
もちろん後で変更することは可能ですが、手間も費用もかかりますし、場合によっては変更手続きが非常に困難になることもあります。
定款を変更しても、その履歴は「履歴事項全部証明書」に記載され削除されませんから、専門家の意見を聞いて慎重に作成するのが賢明です。
目的はシンプルに
会社設立の際に目的を定めますが、実際に行う事業目的のみを記するのが理想的です。
私のよく知っている司法書士さんの作成する定款は、ずばり目的は一行ですから明確で説得力があります。
最大でも4つ位にまとめておくのが賢明です。
最初の行に実際行っていない事業が記されていると、「貴社はどんな事業を行なっているんですか」と質問されることが多いようです。
許認可事業と目的の追加
事業の目的を後で追加すると、登録免許税や司法書士さんの報酬がかかりますが、だからといって多くの目的を定めている定款は、事業プランの説得力に乏しいと言えます。
特に、許認可を伴う事業では取得の見込みがついてから、目的に追加するのがよかろうかと思います。
目的はシンプルに事業プランを説明でき着手しているものに限って記すのがよかろうと思います。